
雷杉を見に初冬の芦生ハイキングに行ってきました。今シーズン初めての雪山山行になり、悪天候予報も出ていたため、
芦生の森は貸し切りでした。誰も歩いていない真っ白な雪面をキュッキュッと踏みしめながら地図とコンパスを片手に雪
の芦生を満喫しました。お天気は悪天候にはならず、日差しこそなかったものの、風もなく、雪も降らずに、ハイキング日
和でした。
天候については、今週末の天気予報は早くから「週末は大荒れ」「日本海側は大雪と強風」「今年一番の冷え込み」「降
水確率80%」などの文字が並んでいました。しかし、地上天気図を見ても高層天気図をみても、「確かに寒気は一気に
南下してくるが冬型は強くない」「強風も吹くような要素はない」「降雪は前線が前夜に通過する間だけ」と考えられまし
た。したがって、アルプスや北陸の山ならともかく、芦生で大雪になるとは思えず、参加者のみなさんには早くから「ア
イゼンは不要」「ワカンも不要」「防寒はしっかり」「最終判断は前日にするけど決行できると考えている」と伝えていまし
た。
ところが決行を前日昼に決定して知らせた後、夜になって「山中越で積雪」「坊村でも積雪」「今後24時間で近畿北部
で30cmの積雪」などの情報が入ってきて動揺。「先頭グループで使うかもしれないのでワカンを持っている方は数人
持って来てください」「急斜面の下りで不安な方は軽アイゼンを」と発信しました。結局、当初予想していた通りの天気
になり、ワカンもアイゼンも使うシーンなどなかったのですが、大人数での山行の判断は難しいなあと思いました。
【DATA】 標高:今回は山頂を踏まず 歩いた日:2011年12月17日(土) 天候:曇りメンバー:14人 山中行動時間: 07時間15分(休憩含む) コースタイム 09:08 須後駐車場出発09:40 灰野谷出合10:45 灰野谷610m付近で直登を選択11:13 P730付近の稜線に乗る11:38 大段谷山分岐
12:18 佐々里峠分岐13:05 雷杉(昼食)
13:45 出発
15:20 トロッコ道
16:23 須後駐車場へ下山山行記録と写真は続きをご覧下さい --------------------------------- 「がんばって歩いたね」と思っていただけたらワンクリックお願いします。人気blogランキング
当日の朝、いつも通り7時に出町柳に集合。悪天候の予報が出ていたので参加者のみなさんには決行する根拠を
示して参加されるかキャンセルされるか自分で最終決定していただくように伝えていました。僕は半分か3分の1くら
いはキャンセル出るだろうなと思っていました。実際はキャンセルされた方は一人だけ。「みんなどんだけ山に命か
けてるねん」と思いました(笑)
参加者が多いので車3台(オールスタッドレス)に分乗して、佐々里峠が冬期通行止めのため、周山街道から茅葺
の里を通って須後へ。途中の道路は除雪されていないところもあり、ノーマルタイヤでは苦戦したと思われます。
須後駐車場に着いた途端吹雪。雨男・雨女間ではじまる責任の押し付け合い。吹雪はすぐに収まって出発準備。
多くの方は上下冬山用アウターや雨具を来て完全装備。僕は雨具は一切なしで、薄手の防水なしのウィンドブレ
ーカー。降雨の心配よりも汗対策です。みなさんも登り始めですぐに着衣調整タイム(^^;
トロッコ道の出発点。由良川本流にかかる橋です。積雪は10cm。昨日の昼前の電話確認では積雪ゼロでした
から全て昨夜に降った雪です。誰の足あともなくテンションあがります。
すぐに灰野谷出合。積雪は少し増えています。もう少し雪が深ければ、夏道と関係なく適当な斜面を選んで稜線まで
直登するのですが、なんとか夏道を追えそうでしたので、行ける所まで夏道を歩く事にしました。先頭はゆかちゃんを
指名、サポートにやまのねこさん。最後尾をSLのhiroさんにお願いし、僕は先頭に声が届く位置で少し心配な方の後
ろを歩きました。僕とhiroさんは無線機でいつでも連絡とりあえず状態です。

灰野谷の雪景色。春夏秋とまったく違う「静」の景色。じっと動かずに眺めていたいと思いました。こんな感じですから
登山道は全部雪の下。うまく夏道を歩けるでしょうか。最初は明瞭な登山道が雪の上からでも見えていました。しかし
すぐにあいまいに・・・
先頭をお任せしたゆかちゃんは、山岳会にも入られ、山の経験値も最近グングン上げられていて、岩やアルプスでは
僕などよりずいぶんレベルが高くなられました。でも、踏み跡もなく目印のテープもなく、尾根でも樹林が濃くて周囲の
見通しが効かないような山を地図とコンパスで歩くのはいい経験になるだろうと思いました。できればこんな山も好きに
なってくれたらなあと。やまのねこさんは、林業をやられており、山の本職。どんなところでも歩ける技術を持ちながら、
みんなのことを考えて急登はジグザグに登ったり、ゆかちゃんの間違いをすぐに修正したりと頼りになります。しかし、
よく見てるとほとんど地図を見ていない。野生の勘で歩いてる!あなたは鹿ですか(笑)

夏道よりも大きく山側にそれて登ったり、今度は渡渉して反対側の斜面を登ったり、雪の下の地面の感触は
明らかに登山道と違う(笑)
それでも危険のないルートを考えて誘導するゆかちゃんとやまのねこさん。
「違うなあ」と一度灰野谷に戻ってルート再考。標高610m地点。このままでは灰野谷の沢登りをしてしまい
そうだったので、夏道の未練を断ち切って、稜線の方角を定めて直登することにしました。夏道から離脱する
事に不安そうにされている方もおられましたが、雪のある時は「行ける斜面」と判断したら早めに決断したほう
が、谷を詰めるよりもずっと安全です。それに、そもそも夏道からだいぶはずれてたし(笑)
急斜面を汗をかきかき、直登り。標高差170m程、30分もかからずに稜線に出る事ができました。ヤレヤレ(笑)
ここから雷杉までは快適な稜線散歩。雪景色を楽しみながら、ナメコを次々発見しながら歩きました。ナメコは
すべてカチカチに凍った冷凍ナメコ(笑)

東方面の比良山は完全に雪雲の中、朽木の山にも山頂部分は雲に覆われています。芦生の稜線は見通し良好、
雲も風もなし!
登山道のわかるところはできるだけ登山道を歩きました。途中には大きなブナやトチの木もあり、景色のいいところです。
雪面にはウサギやシカの足あともあり、雪山ならではの楽しさです。ただちょっと予定よりも遅れ気味で、12時をまわり、
お腹が減ってきました。はやく雷杉につかなくちゃ。
13時すぎ、無事に雷杉に到着。この秋以降だけで4回目のご対面、たぶん毎年10回くらいここに来ていると思います。
昨シーズンの冬はドカ雪で複数の山岳会が到達できなかった時、スノーシューで登ったのが思い出されます。あの時
は下山が日没ギリギリになりました。
いつもこの木を見て、自然の力強さ、生命力に圧倒されます。今日も生き生きした葉を広げ、雪化粧していた
雷杉でした。
この前で昼食。1時間の予定でしたけど遅れているので30分休憩。みなさんお湯を沸かして暖かい昼食を
取られていました。Docomoが通話エリアでしたので、ここからTwitterとmixiボイスを発信(笑)


昼食後も「これぞ芦生杉」というような巨樹を見て歩きました。雪があったのと、ルートファインディングに先頭グル
ープが必死だったので(笑) ゆっくり見て回れませんでしたが、この辺りには20本くらい巨大な芦生杉が存在し
ています。
下山の尾根は急降下。雪の下に滑りやすい木の根っ子がかくれていて、慎重に下って行きました。それでも危なげ
なく無事にトロッコ道に着陸。目的地点にピッタリ。
下山途中は広くて迷いやすい地形がいっぱいあったり、樹林で見通しが効かないため、尾根の分岐を見落として違う
ところに下山しやすいルートでした。他の季節ならうっすらと出てくる踏み跡があるので、それでもわかるのですが、
今日は完全に雪の中。リボンなどの目印もほとんどありませんので、迷う要素が揃っていました。
そこで、尾根を下る時、尾根の真ん中の背中にやまのねこさん、左側にゆかちゃん、右側に僕の3人で横一列に見
える範囲で広がり、同じ速度で前進して下って行きました。こうすると、尾根の分岐見落としは絶対に防げるし、3人
でコンパスを見ているので、大きな方向を誤ることはありません。
「右側切れ落ちてます」「左側小さな尾根がありました」みたいな声をかけあいながら、後続は、真ん中のやまのねこ
さんのルートで着いてきてもらいます。単独で歩く時は、これを一人でやらなければならないので、ジグザグに歩く
ことになります。
いつも思うのですが、今回の参加者の中にも、リボン信者というのか、とにかくリボンやテープを見つけると、もうそ
れが絶対で、あっただけで安心する、そんな方がおられました「リボンあった!」「テープあった!」とつけっぱなし
の目印で大喜びされます。過去、芦生や北山で道迷い遭難された方が口をそろえて「テープがあったので安心し
て進んだ」と言われいます。
「そのテープ誰が付けられたのか知っているのですか。それは信用できる人ですか?」。あなたの知らない怪しい
方が「こっちこっち」と手招きしています。あなたは、信じてそちらへ行ってしまうのでしょうか? ホントに「なんで
こんなところに」と思うところにもテープが付いています。僕の山仲間にはどうか、自分と仲間の力だけで正しいル
ートを見極めて安全に歩けるようになってほしいと思います。
あとはトロッコ道を楽しく歩いて全員無事に予定通りの16:30までに余裕を持って下山する事ができました。
11人入れる居酒屋をやっと見つけてみんなで「反省会」。次々と来年の山行計画が立てられました。酔っぱらって
全部覚えてないので、誰かまとめといてね!(笑)
今回も楽しい芦生山行ができました。これからは深い雪の季節になりますが、スノーシューやワカンをつかって
どこでも歩ける季節でもあります。昨シーズンは雪洞やイグルーもつくって泊まりました。今シーズンはどんな雪
の芦生が楽しめるか今かtら楽しみです。
参加していただいたみなさん、どうもありがとうございました。
なお、芦生原生林一帯は京都大学が研究林として管理しています。近年、貴重な自然が加速度的に失われつつ
あります。自然破壊の原因は、鹿による食害や、カシノナガキクイムシによるナラ枯れなどどともに、人間が芦生
の森にたくさん入りすぎている(オーバーユース)が問題になっています。京都大学ではそのために、鹿柵をつくっ
て食害の有無による植生の違いを研究したり、今年から鹿の頭数調整(猟による補殺)を本格的に開始したり、生杉・
三国峠ルートでの入林を禁止したり、いろんな対策を講じておられます。今回歩いたルートは、芦生の中でも貴重
な芦生杉の巨樹が群落を形成しているところです。本来なら、この辺りにも人間が多数入る事は自然に悪影響を
与えるに違いなく、入ってほしくないところです。しかし、一方で、この自然の大きさ、存在している事の貴重な意義
を実際に見て頂き、芦生の自然環境をまじめに考える方が一人でも増えてほしいと思って案内しています。どうか、
今回の参加者の皆さんが、芦生原生林のファンになって、その自然についても何らかの関心を持ち続けて頂けた
らと願っています。
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芦生に一度、連れて行ってもらえませんか?
行きたいって言うてるやつ、他にも何にかいるんですけど・・・。