[ 歩いた山の紹介 ] 2011/04/17(日)
春の陽気に誘われて芦生へ沢登りに行ってきました。2日前に行く気になりmixiのカレンダーで公開したところ、こはるさんが参加してくれることになりました。「日本一藪こぎの似合う女」のこはるさんと一緒なので、「櫃倉谷往復のお花見山行ではあかんなあ」とプラン練り直し
せっかくだから、まだ歩いたことのない「ナメ谷」と「中ノツボ谷」を歩いてみよう。下山もまだ歩いていない内杉西尾根にしよう。こうして、こはるさんと一緒に楽しめそうなルートを決めました。
朝、須後駐車場に行くと、芦生の常連とお会いしました。池さんはトロッコ道を七瀬まで、H2Oさんともりの石ころさんは櫃倉谷へ入られるとのこと。さっそく常連さん達と情報交換。「今年は残雪が異常に多くて危ないところが多い」「トロッコ道ですら雪崩で埋まって危険なトラバースの連続」「奥まで行くなら誰も入ってないので気を付けて」などなど
少し離れたところで「お花いっぱい咲いてるかなあ」とルンルン気分で準備するこはるさん。まっいいか 今日はハードな山行になりそうです。
【DATA】
標高:今回山頂は踏まず
歩いた日:2011年4月17日(日)
天候:晴れ
メンバー:2人
山中行動時間:08時間20分(休憩含む)
コースタイム
08:40 須後駐車場出発
09:10 林道内杉線・櫃倉線分岐
09:45 林道終点(沢靴履き替え)
10:00 出発
10:20 坂谷出合
11:00 権蔵谷出合
11:10 ナメ谷出合
12:30 源頭を詰め上がり林道へ(昼食)
13:00 出発
13:45 中ノツボ谷二俣(右俣へ)
14:40 源頭を詰めて林道へ(靴履き替え)
14:50 出発
15:30 P735
16:35 林道内杉線・櫃倉線分岐
17:00 須後へ下山
山行記録と写真は続きをご覧下さい
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須後駐車場の桜はまだつぼみ。ゴールデンウィーク頃が満開かな?
駐車場にはつくしがいっぱい出ていました。この辺のは遅いのでまだ食べごろでした。
林道櫃倉線はまだ雪の中。スタートからこれだけ雪があるのか。お花を探しながら歩いて、林道終点に1時間で到着。雪に足を取られながら歩いたのだけど夏と変わらないペースだ。ここでこはるさんはトレランシューズからフェルト底の沢靴にチェンジ。僕はラバーソールの沢靴一丁で林道も尾根も歩きとおします。
横山峠のトクワカソウの群落はまだ蕾でした。
横山峠の下り。雪の急斜面を下ります。僕のラバーソールの沢靴は雪面でもそれなりに蹴り込んで歩けます。でもこはるさんは「フェルトだからすべる~」と叫んでいます。原因がフェルト底にあるのか、歩き方にあるのかは不明です。
中ノツボ谷との出合の堆積地。日当たりが良くてお昼寝したくなるような場所です。ドングリ再生プロジェクトで昨年ここに180本の苗を植えたけどシカに食べられて全滅しました。今日はここに冬を越せなかったシカの死がいがありました。今年の多く積もった雪でどのくらいのシカが淘汰されたのか気になるところです。この山行でも2回シカを見ました。
櫃倉谷のシンボルのトチの巨木。櫃倉谷は久しぶりなのでうれしい再会です。沢の水も雪解けで苔も流されていてエメラルドグリーンでとってもきれい。水に手を浸すと刺すように冷たい。まさかこのあと全身浸かることになるとは
ここは「苔庭」とよんでいるところ。冬の間、雪の下に埋まって光合成できなかった苔が気持ちよさそうに日差しを受け止めて、緑色も鮮やかでした。
有名な「雨宿りの樹」これもトチの木です。今日は違う角度から撮ってみました。この重力に逆らった巨木を支えている根っこがどうなっているのか気になりますね。
スノーブリッジ。ちょっと渡れませんでした
滝を高巻いてこの岩場を超えれば権蔵谷出合です。岩場には新しいトラロープがフィックスされていましたけど、心もとない太さで「かえって危ないのでは?」と思いました。
櫃倉谷は渡渉の繰り返し。今年初めての沢登り、今年初めての沢靴、今年初めての水が足に入ってきて・・・
冷たい!
権蔵谷を過ぎて出てくるいつもお昼ご飯を食べる広場は雪景色。このあたり雪解けが遅くてまだ50cmの積雪でした。
いよいよナメ谷に突入です。名前の通りナメ滝の多い谷です。さっそく1つ目の滝を登ります。雪で倒れた木が多く、障害物走の様相です。しかも杉の倒木をうっかりゆらしてしまうと花粉攻撃でくしゃみの連続
夏場は苦もなく超えられそうな滝も雪がかぶっていたり、乗り越えられないスノーブリッジになっていたりで巻くことが多くなりました。急斜面には手掛かりがないので残雪を利用してステップを切って乗り越えました。
この谷、すごくきれいで、新緑の頃にまた来たくなりました。水の音に混じっていろんな鳥の声が聞こえます。時折見たこともないようなきれいな鳥がすぐ近くを飛んで行きました。野鳥好きにはたまらんやろなあ。
こういうやさしいナメ滝がいっぱい。夏場なら滑り台にして遊べそうです
滝が出てくるたびに「やっちゃう?」「巻く?」と相談。水流が少ないのでシャワークライミングにはなりません。それでも、滝を登っている途中で、雪が崩れて僕は2回も水中に全身はまりました。もうびっしょびしょ。それを見たこはるさんは、いつもは先頭を行きたがるのに今日は珍しく遠慮されていました。
水は死ぬほど冷たいのだけど、体は全身使ってるのでポカポカ。濡れた服もすぐに乾いて寒いことは全然ありませんでした。ウェアもずっとベースレイヤーだけで歩けたし。
ナメ谷最後のツメです。こういう急登は僕は得意。上から「ガンバレガンバレ」と言う快感(爆)
詰め上がった先は林道。ここも雪の中。12時30分になっていましたので、ここで今日初めての休憩で昼食。単独で歩くときや、こはるさんと歩く時はほとんど休憩を取ることはありません。アルコールストーブでお湯を沸かし、ラーメンとおにぎり。
ここから地図をよく読んで尾根を乗り越して中ノツボ谷の上流部へ降り立つ予定です。中ノツボ谷は芦生の中で一番険しいと言われており、過去何件も死亡事故が発生しています。現在、櫃倉谷本流から中ノツボ谷に入渓するのは禁止になっています。
僕らは、中ノツボ谷の核心部ともいうべき険しい滝場の連続する最後の滝をピンポイントで狙ってその上流に降り立って、荒々しい核心部とうって変るおだやかな源流だけを歩こうと狙っています。そのためには地図読みが決定的に重要 今日の核心部です。
でも、実は出発前の駐車場でお会いした常連のH2Oさんから尾根を乗り越す場所の目印を教えてもらっていました。そんな都合のいい目印がわかるものかと思っていましたが、果たしてすぐに見つかり、そこから尾根を乗り越すと見事ドンピシャで最後の滝の上に降り立ちました。このように今回の核心部は、カンニングでクリア。すばらしい情報ネットワーク(爆)
もう覚えたぞ(核爆)
最初は最後の滝上部から上流を歩き、別世界のようなせせらぎの源流の景色を堪能。でもこはるさんから「てくさん、この谷違うよ。これは左股で私たちは右俣を遡行しなきゃ帰れない」と指摘。すみませんそのようです
結局二俣まで下流に向かって下るため、この最後の滝を巻き下ります。
この左俣もいい谷だったのでまた行きましょうね!この谷を詰めれば杉尾峠に出られそうだから帰りは櫃倉谷を使えるよ! いつ行く?(爆)
おお!右俣もいいじゃないか!巨木の谷ももちろんいいけど、こういう二次林の平流部はなんとも明るくて気持ちがいい!
雪の中に季節外れのナメコを発見!
お昼ごはんのあとで良かったね!(爆)
中ノツボ源流も雪が多い!
こはるさん、太ももまでズップリはまってなかなか抜けません
人の事笑っていると、雪を踏みぬいて落ちました
かろうじて両腕を広げてとめましたけど、両足が宙ぶらりん。生きた心地がしませんでした。両腕を乗せている雪が落ちたらどうなるか。こはるさんは「カメラカメラ」と言ってるけど、無視して必死で這い上がりました。穴をのぞくと落ちてもすぐに地面が合ったのだけど、そんなことわからないもん。「植村直己はこうして逝ったのか」とか脳裏をよぎりました。
こんな素晴らしい景色を楽しみながらの沢登りなんてなかなかできないですねー。
源頭に近づくにつれ、谷は完全に雪に埋まり、まるで冬の景色です。積雪は1m以上でもはや踏みぬく心配もありません。GWになってもこの辺りの雪は残るんじゃないかなあ。
詰め上がった場所は狙い通り林道の分岐点にピッタリ!
谷では途中いくつも枝分かれしていて、地形も複雑だったので、地図を片手に持って現在位置をロストしないように読図しながら歩きました。
雪の積もった林道を歩いて下山尾根をめざします。
ここから、先頭はこはるさんに交代。
藪こぎは任せた!
が、ここで失敗。
地図に載っていない林道が出てきてそっちに誘いこまれました。途中まで方角は大きく狂わなかったけど下に見える谷の地形が地図と合わないのが気になりました。そのうち、あるはずのない尾根が向かいに見えてきて「こはるさん、この道違うよ」
引き返して無事復帰。
今回、よくわかりました。
僕も谷を歩いていてルートミスしたとき、後ろのこはるさんが気付いてくれました。今回は僕が後ろだった。先頭は、歩きながらいろんな情報を処理しなきゃいけない、沢登りならそれこそ、どの石に足を置くか、直登するか巻くかなどをルーファンしながら同時に考えています。どうしても見落とすことが出てくるようです。まあ、単独の場合でも、もう少し歩けばどうせ気付くのだけど。
後続は先頭が見落とした情報に気付きやすいようです。余裕があって視野が広くできます。だから地図が読める相棒と一緒に山を歩くと道迷いも減らせるなあと思いました。
まあ、昨年同時期にこはるさんと二人でさんざん道迷いしたわけだけど、
あれから二人とも修行の甲斐あって成長したってことで
下山尾根に乗りました。日本一藪こぎの似合う女の雄姿です
迷いやすそうな尾根分岐もすべてクリアして最後もピンポイントで狙った場所に降り立ちました。16:35林道櫃倉線・内杉線分岐、17:00須後着でした。
あまり濡れなかった のでお風呂はパスして、出町柳に戻って居酒屋さんで打ち上げ!
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咲いていた花たち(花の最盛期はもうちょっと後になりそう)
by 山岡D : URL
by てくてく : URL
同じ季節でも行く度に景色が変わります。全く登山道のない地形図だけを頼りに歩く山行です。こんなシーズンではまず人に会うことはありませんね。楽しいですよ!
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いつの季節も素敵な景色を見せてくれる素晴らしいところですね。一度芦生に行ってみたいです。それにしても他の人の気配が全くない写真ばかりですけど、よっぽど山奥なのでしょうか?