[ 歩いた山の紹介 ] 2005/10/30(日)
雑木林でなく本物の原生林が今の日本にどれだけ残っているでしょうか。福井県境に接した京都府北桑田郡美山町の芦生には本物の原生林が京都大学の芦生研究林として保存されています。部分的に伐採され植林されている所もありますが、ブナ、トチ、ミズナラ、カツラ、スギなどの樹齢何百年を数える巨木が存在しています。
私の父も芦生の自然に見入られ、私が子どもの頃、家族旅行といえば芦生の須後にある芦生山の家でした。山の家を起点に家族で灰野のトロッコ軌跡(当時はトロッコがまだ走っており、私も好意で乗せてもらった事を覚えています)をハイキングしたり、櫃倉林道を歩いたりしていました。
中学2年生のとき、同級生の友達3人で芦生キャンプを計画し、バスの終点の広河原から佐々里峠を超えてトロッコ軌跡の小ヨモギ作業所跡あたりでテントを張ったことがありました。川で泳いでいる間にテントの中にマムシが入っており大騒ぎしたことを覚えています。
子どもの頃の芦生の思い出をいっぱい持っている私は、いつか芦生の原生林の奥深く歩いてみたいとずっと思っていました。今回、久しぶりに芦生に足を踏み入れ、よく知っている須後ではなく、生杉を起点に秋色に染まった芦生を一般道からはずれて人のあまり入っていない原生林をたっぷり歩いてきました。

▲秋色に輝く芦生の森
【DATA】
標高:775.9m 三国峠(三国岳)、811.4m シンコボ
歩いた日:2005年10月30日(日)
天候:曇り/晴れ
メンバー:単独
山中徘徊時間:7時間00分(休憩・昼食含む)
06:30 自宅出発(マイカー)
08:00 生杉ゲート前到着(20台の駐車スペースにすでに15台)
08:15 準備をして山歩き開始
08:45 地蔵峠(仮入山届け記入)
09:25 三国峠 775.9m、この先地図では難路を表す点線の道
10:15 小さなピーク、右折(しっかりした道標あり)
10:35 小さなピーク、また右折(手のひら大の小さな道標「第二迷地点」)
10:45 野田畑峠
11:30 杉尾峠(左)とシンコボ(直進)の分岐
11:40 シンコボ 811.4m(三角点あり)、広い素敵な山頂、昼食
12:10 出発(先の分岐に戻り杉尾峠方面へ)、地図に道はない
12:35 小さなピーク、右折(手のひら大の小さな道標「第四迷地点」)
13:10 杉尾峠 765m、左へ(ここから一般道、有名な「上谷」人もいっぱい)
13:40 ミズナラの巨木
14:15 サワ谷との分れ(直進)
14:25 長治谷作業所方面との分れ(左折して橋を渡る)
14:40 地蔵峠
15:15 生杉ゲート前
予定では三国峠へ登るルートは、生杉ゲート前から直登し、枕谷を下って上谷から杉尾峠往復の一般登山道コースを考えていました。しかし、生杉からの登り口がわからず、地蔵峠まで歩いて枕谷から三国峠に登りました。
ちょうど峠で芦生を何十年も歩いているという方に出会い、地図では難路表示になっている野田畑峠へのルートは「少し迷いやすい所があるが道標もついて歩きやすくなっている」と教えてもらう事ができ、福井県との県境尾根を歩くコースを取りました。
野田畑峠から先、特に地図では道の表示すらないシンコボから杉尾峠への尾根はさらに難路であることが予想されましたが、「ダメなら早めに引き返す」方針でさらに県境尾根を歩くことにしました。人気のない稜線をかすかな踏み跡を探しながら歩くコースでしたが、その分、原生林の魅力たっぷりでした。
途中で反対側から歩いてこられた方とすれ違いました。この方は20年前から毎年このコースを歩いておられるそうで、不安を持っていた杉尾峠までの稜線の状態や迷いやすいポイントを教えてもらいました。「最近は歩く人も増えたので、迷いやすいところにはリボンやテープの目印があるので大丈夫。ただ、アップダウンが多いので体力は必要」との事でした。この方と会えてコースの情報を得られたことで元気百倍、心に余裕を持って景色を満喫しながら歩くことができました。
この方は、私に地図と磁石を持っているかどうかをまず尋ね、さらに地図を読む力があるかどうかを会話の中で確認されていました。その上で情報を教えていただくことができました。山歩きの経験のない地図も持っていない相手だったら「引き返したほうがいい」と言うつもりだったそうです。やはり、難路には違いありません。
山行記録と写真は続きをご覧下さい。今回は写真をいっぱい掲載しましたので秋色の芦生原生林をお楽しみください。
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